満員御礼そしてピエルネ

12月5日に開催させていただきました

金川マコト 金川信江 トロンボーンとクラリネットの夕べ at Earlybirds Across

お陰様で満員のお客様に迎えられ終了いたしました。ご来場くださった皆さま、励ましのお気持ちでいてくださった皆さま、ありがとうございました。

親しみを感じるサロンでのコンサート。緩く弧を描くように並べられた客席。音楽によってお互いの気持ちがすっと寄っていくような距離感。お客様の優しい眼差しと空気を感じながらの演奏、音楽を介して温かで幸せなひとときであったと感じています。あらためて感謝申し上げます。

爽やかな曲でご挨拶をするような気持ちではじめに演奏させて頂いたのは、ピエルネのセレナードでした。コンサート中にお話ししたその楽譜の表紙はこんな感じです。

弦楽合奏、ヴァイオリンとピアノ、或いは、フルートとピアノなどで演奏されることが多い曲でしょうか。ピエルネはクラリネット用にカンツォネッタという曲をかいていて、編曲されたものであるこのセレナードはクラリネットではあまり演奏されない曲かもしれません。それをなぜ私は選んで演奏するのかって、それは、楽器店の棚から引き出してこれを見つけた時に、可愛い💖ってジャケ買いしたからです^^ 以来私のレパートリーとなっています。

今回は、フランス音楽からドイツ音楽へと向かうプログラムをご用意しました。

前半後半それぞれの最後には、トロンボーン+クラリネット+ピアノの曲目を。実はこの編成の曲、ほぼありません。一緒に演奏するには工夫が必要です。

前半に演奏した ジャンジャン/演奏会用二重奏曲 は、もとはクラリネット・バスクラリネット・ピアノの曲ですが、バスクラの部分をトロンボーンで演奏しました。終演後お客様からうかがった感想の中に「映画のシーンが浮かぶようでした。」と仰ってくださった方がいました。私も物語的な音楽のように感じていたので、嬉しかったです。

そして後半に演奏した ブラームス/2つの歌 は、アルト・ヴィオラ・ピアノがもとの編成です。今回はアルト部分をトロンボーンで、ヴィオラ部分をクラリネットで演奏しました。歌曲として作曲されていますが、歌詞のない器楽曲に置き換えても充分に聴き応えのある楽曲で、ブラームスらしさが全面に漂っています。アルト部分が主役ではあるのですが、今までに取り組んできた他の曲以上にそれぞれのパートが深く対話しながら進んでいくような感覚もあり、これまで培ってきたものを活かしながら音楽を味わいお伝えできて、この編成にもあった良い音楽に、やっと出会えたように感じます。間を置いて再演の機会もあったらいいな。

軽やかさもあるフランスものから、ドイツものへ進むにつれ音楽が深まっていくような印象もあったかもしれません。ドイツものが、冬の夜この時期の心境にあったと感じた方もいたようでした。アンコールには リヒャルト・シュトラウス/モルゲン を演奏しました。

全曲に渡ってしっかりと支えてくださったのは、ピアノの江川真理子さんです。金川マコトの幼馴染みでもあり、家族の話し、音楽の話し、色々交えながらのリハーサル。そんなことも、和やかな雰囲気のコンサートとなったことに役立っているのかもしれません。

終演後に撮った↑の写真に写っている、この日使わせていただいたアーリーバート・アクロスにあるピアノは、もうすぐ90歳になるものだそう。ある方が長く大事になさっていたものを手放すという時に、いい物だからと調律師さんが引き取り補修して所有されていたものが、縁がありこの会場にやってきたそうです。西欧の技術を学んだヤマハの力が充実してきた頃の作だそうで、サロン、室内楽向きの雰囲気のある音色です。そんなエピソードのある楽器と共演できたことも嬉しいことでした。


全力を出し切って疲れはするのですが、音楽とお客様から受けとるものも多いコンサートでした。次は何ができるかな、いい音楽あるかなと、すでにぼんやりと考え始めています。ぜひコンサート会場でお目に掛かれますように。





#かねかわのぶえ #クラリネット奏者 #クラシック 

Nobue Kanekawa’s blog

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