嬉しいのだけど、まだちょっと緊張感もあるのは、事前にメッセージで対話はしていましたが吉村さんと吉野さんはこの日会うのが初めてだったから。

フルートの吉野さんは、母校である国立音楽大学の2年先輩です。ドイツのミュンヘン音楽大学大学院も修了されています。私とは若い頃に同じ楽団に所属していたこともあり、それ以外でも最も共演回数の多いフルート奏者です。演奏は信頼し、ときには冗談も言える間柄。

ピアノの吉村さんに出会ったのは数年前。雑司ヶ谷にクラシック音楽のレコードが聴けるビブリオ．クラシックという居心地のよいカフェがあります。そちらで声楽家と共にされるコンサートを聴きに行ったときに、少人数でのアットホームな会でしたので終演後にお話しさせて頂きました。ビンテージピアノを活かした素敵な演奏だったのと、落ち着いた人柄が印象的で、私よりお若いことに驚きました。可愛らしけれど、精神年齢はきっと上です。その時にもう、何か一緒に出来たらいいですねと会話したのを覚えています。別の機会にソロ演奏も聴かせて頂いたあとコロナ禍もありだいぶ間があいていましたが、やっと共演を実現できそうで嬉しいです。

お二人をお引き合わせしたかったのは、吉村さんは15年もドイツに住まれ音楽を学び、演奏活動もされたという経験をお持ちだからです。音楽の話しをしつつ、ドイツでのことも伺いました。お二人には及びませんが、私はかつてドイツ語圏への演奏旅行とマスタークラスに参加しました。もちろん３人とも、それぞれに様々な国や時代の音楽を演奏してきた経験があります。この日の会話で、お互いのことを尊重し刺激し合あえる間柄になれるとすぐにわかりました。様々な要素を吸収し対話しながらいい音楽をお届けできるのではと楽しみです。

日々